最近驚いたお話をひとつ。
「電気自動車の生産増大で、耐熱容器の材料がなくなり生産中止に追い込まれている」というもの。
土を注文した時に、材料屋さんから聞いた話である。
耐熱用の材料の中に徴量のリチウムが含まれていて、今までは「微量」ゆえに採算が合わず見過ごされてきたのが、世界的にリチウム需要がうなぎのぼりになったため、その「微量」すら奪い合いになっているのだそう。
リチウムは、ご存知「リチウム電池」のあのリチウム。今やコンビにでも売っている。
でも、やはり資源には限りがあるのでした。
私もまさか自分の仕事と電池にそんなつながりがあるとは知らず、電気自動車のためにグラタン皿や土鍋がなくなるかと思うとなんとも複雑な気持ち。というよりも、いいのかそんなんで? と疑問を持ってしまいます。
土の値段がじわじわ上がり始めたのは、リーマンショックの頃だったか。今やほぼ毎年のように値上げの通知が来る。材料屋さんが廃業になるよりは、と苦しいながらも受け止めてきた。
そして、そもそも「地球を材料にして」作っているのだから、材料を大切に使おうと考えるようにもなった。
「材料を大切に使う」とはどういうことか。私にとってそれは、「よいものをつくる」ということ。では「よいもの」とは何か。私にとってそれは「よろこびのあるもの」。というと抽象的過ぎるけれど、ごまかさず、流行をもたず、長く愛され大切に使ってもらえるものを心がけたいです。
昨日は半袖今日はフリース、と翻弄されながらもいつのまにか緑に包まれた美しい季節。これからあちこちで展示が続きます。
たくさんのよき出会いがありますように。